2012年12月27日

役員社宅について


 今回の記事は、ありきたりな話ではありますが、念のためという意味を含め、「役員社宅」の税務について書くことにいたしました。役員社宅を利用する場合、概ね以下のケースが考えられます。

(1)法人が住宅を所有し、役員に賃貸している場合
(2)法人が住宅を賃借し、役員に転貸している場合(いわゆる借上)
 
 それぞれの場合において、法人が役員からどれほどの賃貸料を徴収すべきか、その住宅の区分に応じて次のように定められています (所基通36−40、36−41)。役員からの賃貸料の徴収額が不足していると、その不足額が「給料」とみなされて、役員からの「源泉税徴収漏れ」という扱いになってしまいますので、注意しましょう。


【会社が物件を所有し、役員に賃貸している場合】

1. 「小規模」住宅
(床面積が132u以下、木造家屋以外の家屋については99u以下)
 法人が役員から徴収すべき1ヵ月当たりの賃貸料相当額は、次の算式の合計額です。
@ その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×0.2%
A 12円×家屋の総床面積(u)÷3.3(u)
B その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

2. 「中規模」住宅(小規模住宅以外の社宅の場合)
 次の算式の合計額の12分の1が、法人が役員から徴収すべき1ヵ月当たりの賃貸料相当額です。
@ その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×12%(木造家屋以外の建物は10%)
A その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6%

3. 「豪華社宅」に該当する場合
 いわゆる豪華社宅とは、家屋の床面積が240uを超えるもので、取得価額、支払賃料の額、内外装その他の設備等の状況を総合勘案して判定します。240u以下のものであっても、プール等の設備や役員個人の嗜好を著しく反映した設備等を有する家屋は、豪華社宅に該当します。
 1ヵ月当たりの賃貸料相当額としては、その住宅の利用につき、通常支払うべき家賃全額を役員から徴収すべきものとされており、具体的には、その住宅の近隣の賃貸物件のうち、規模、構造、築年数や所在地等の状況が類似する住宅等の賃貸料の額又はその住宅等の取得価額その他の状況等を参考として算定することになります。
 ・・・ということは、、、すなわち全額役員個人で負担しろということですね。

【法人が住宅を賃借し、役員に転貸している場合】

1.小規模住宅及び中規模住宅
 上記の【会社が物件を所有し、役員に賃貸している場合】で算出された賃貸料相当額と法人が所有者に支払っている家賃の50%の金額を比較し、いずれか多い金額が役員から徴収すべき賃料相当額ということになります。ただし、このような借上社宅の場合、所有者から固定資産税の評価額を入手するのはなかなか難しいので、実務上は賃料の50%を法人の損金とするケースが多いものと思われます。
 もし、法人が役員から家賃を徴収していない場合は、法人が所有者に支払っている家賃の50%が否認されますので、ご留意ください。

2.豪華社宅を借り上げている場合
 会社が支払う家賃の額、全額が役員から徴収すべきものとなり、法人が家賃の一部を負担するという余地はございません。

 結局、「豪華社宅」については、全額個人負担ということになりますので、社宅を利用する場合は、床面積やその他設備を確認したうえで、契約をするようにしましょう。



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2012年11月12日

外国親会社からの貸付利息は損金算入に制限あり〜過少資本税制


 日本は、過少資本税制を採用しているので、外国資本の日本法人の運営については注意が必要です。外資系の企業等が海外の親会社等から資金を調達する場合、資本として調達する場合と借入により調達する場合の2通りが考えられます。ただし、このどちらを採用するかで、日本法人が日本で納付する税額に大きな影響を及ぼします。もし借入で調達して、その借入金の利息が通常の借入金利息と同様に損金に計上可能だとしたらどうでしょう。

 そもそも日本法人が外国親会社に利息を支払うこと自体が海外への資金の流出ということになりますが、借入金利息の損金効果が国内での所得をさらに圧縮し、日本国内での納税額が減少してしまいます。逆に言えば、外国親会社の存在する国での納税額が増えるわけです。国によっては、税率や免税措置に差があるので、この国際間のグループ会社貸借スキームを使用すれば、国際的な税負担を軽減することも可能になってきます。

 日本においては、平成4年の税制改正により「過少資本税制」が導入されております。その概要は、

・日本法人の50%以上の株式等を有する国外支配株主等からの借入金が、

・その日本法人の自己資本の3倍を超えている場合において、その超過額に対応する支払利息につき、損金不算入となる、

 または、

・国外支配株主等からの借入金利息が、税務上の課税所得金額(特殊な計算過程あり)の50%を超過する場合、その超過額について損金不算入となる、

というものです。

 最近は、経済活動のグローバル化が進み、欧米だけではなくアジア諸国などの外国法人の協力を経て日本法人を設立するケースも増えてきているものと思われます。その際には、資本金と借入金のバランスについて注意しながら資金提供を受けるようにしましょう。


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