2012年11月17日

定款作成の際のお役立ち情報A 〜英文社名〜


 定款作成時に最初に記載するのは、商号つまり会社名ですが、このとき一緒に英文社名も決めて記載しておくと意外な時に役立ちます。
 最近では、大手企業や海外拠点をもつ企業のみならず、設立したばかりの小さな国内法人でもひょんなことから海外取引をする機会が増えております。例えば弊事務所のお客様の例では、国内の会社と取引しているつもりが、突然、今回は海外の業者から直接海外送金で入金しますので英文社名を教えて下さいなどと言われたこともありますし、海外の会社と取引を行う際に登記簿を英文に訳して提出してほしいなどと言われることも頻繁にございます。
 このような時に慌てて英文社名を考えるよりも、設立登記の際に英文社名をあらかじめ決めておいて、定款と登記簿謄本に記載して置けば、いざという時に慌てずに済みます。むしろ、今の時代では当たり前。くらいに考えておいたほうがいいでしょう。いろいろな企業のホームページを見ると英文社名を会社概要に記載している会社も多くなってきました。

 さて、英文社名はどのように決めるといいのでしょうか?

 特に決まりごとはないのですが、日本の株式会社や有限会社のように決まりきった表記はありません。代表的な例をあげると以下のようになります。

1. 「Co.,Ltd.」
 日本で古くから使われている英文社名です。カンパニー・リミテッド(有限責任の会社という意味)の略ですが、英国や米国ではあまり使われていないようです。そのためか、最近では採用する会社も減少傾向にあるようですが、依然、日本では英文社名として最も多く存在しているものであります。
【会社名の例】(ホームページに記載のもの)
セメダイン株式会社   「CEMEDAINE Co.,Ltd.」
大和ハウス工業株式会社 「DAIWA HOUSE INDUSTRY CO.LTD」

2. 「Corp.」
 2番目に多く使われている英文社名です。コーポレーションといえば、なじみ深いですね。米国登記では、「Corp.」と表記することが認められているため、多く使われているようです。組織が整った大企業が使うことが多いそうです。
【会社名の例】(ホームページに記載のもの)
丸紅株式会社     「Marubeni Corporation」
ソフトバンク株式会社 「SOFTBANK CORP.」

3. 「Inc.」
 3番目に多く使われている英文社名です。インコーポレーテッド(登記済みの会社)のことで、英国(英国では、Inc.Ltd.となる)、米国ともによく使われている表記です。会社の規模に関係なくどの会社が使用しても違和感がありません。
【会社名の例】(ホームページに記載のもの)
キャノン株式会社   「Canon Inc.」
株式会社中央経済社  「CHUOKEZAI−SHA,Inc.」

4. 「Ltd.」
 Inc.と同じくらい使われている英文社名です。英国登記の会社は、Limitedが必ず入れる必要があるので世界的にみて一番無難な選択肢かもしれません。
【会社名の例】(ホームページに記載のもの)
アサヒビール株式会社  「ASAHI BREWERIES,LTD.」
富士通株式会社     「FUJITSU LIMITED」

5. 「K.K.」
 日本の会社でしか使われていない英文社名です。カブシキカイシャをそのままK.K.と表記しているので、あまり使われてはいないようですが、日本の会社ということを世界に示すにはわかりやすいのかもしれません。
【会社名の例】(ホームページに記載のもの)
昭和シェル石油株式会社  「SHOWA SHELL SEKIYU K.K.」
日本郵船株式会社     「Nippon Yusen Kabushiki Kaisha(NYK LINE)」

 有名企業の英文社名を例にあげてみましたが、表記の仕方は実に様々です。
決まりごとがないので、英文にした時の「ひびき」や「イメージ」で決めてみてもいいかもしれません。

 余談ですが、ユニクロの英文表記は、最初は「UNICLO」(UniqueなClothの意味)だったのですが、海外の取引先が間違って「UNIQLO」と記載してきたのを気に入ったのでそちらに変更したと、柳井正さんの著作に書いておりました。そういうのも面白いお話ですよね。


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2012年10月27日

定款作成の際のお役立ち情報@ 〜申告期限延長〜


 さて、会社を設立し、登記が完了しました。この後、税務署や社会保険事務所など、関係各庁に対して会社の設立届を提出することになります。

 設立したすべての会社に提出義務があるのが、所轄税務署、都道府県税事務所への「法人設立届出書」です。通常は、法人設立届出書と一緒に青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書も提出します。この時にもう一つ、一緒に提出しておくと良いのが、申告期限の延長の特例の申請書です。
この申請書を提出して所轄税務署長に承認されると、その名の通り、申告書の提出期限を延長することができるのです。

 例えば3月末決算の会社は、2ヶ月以内つまり5月末までに申告書を提出しなければなりませんが、この延長の申請の承認を受けるとさらに1ヶ月延長で6月末までに申告書を提出すればいいことになります。決算の時は会計事務所に対して何かと記帳資料の提出を要求されますが、会社を起業したばかりの社長様は日常業務に追われてがちなので、なかなか決算資料の準備に手が回りません。申告期限が1カ月延びるだけでも大変余裕ができますのでお奨めです。

 それでは、どうしたら申告期限の延長を承認してもらえるのでしょうか?
「定款」に、以下の文言を入れることによって承認してもらえるのです!

● 株式会社
 「株主総会」の章に定時株主総会は、「事業年度末日の翌日から3か月以内に招集」というように、いつ株主総会が開催されるかを記載します。
 司法書士の先生に普通に会社設立をお願いすれば、通常の株式会社の定款雛形として必ず記載されておりますので、特に気にする必要はありません。

● 合同会社
 合同会社の定款には、株式会社の定時株主総会の場合のように決まった総会を開催することを必ず記載する必要がありません。司法書士の先生へ普通に合同会社の定款作成を依頼すると記載がない雛形を使用されるケースがほとんどだと思われます。合同会社の定款にも申告期限が延長できるように記載してもらうように依頼しましょう!「事業年度末日の翌日から3ヶ月以内に決算を確定する」この文言が1行あれば、合同会社でも「申告期限の延長の申請書」の承認を受けることができます!

注意!
 申告期限の延長が承認されるのは、法人税、事業税、法人住民税です。
消費税は、延長の規定がないので通常通り、決算から2か月以内に申告と納付をしなければなりません。
 なので、会計事務所から決算時に記帳資料を要求される場合、消費税を申告するために最低限必要な資料はやはり早めに用意するように心掛けましょう。

参考になるサイト
国税庁 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_12.htm 
東京都主税局 http://www.tax.metro.tokyo.jp/shitsumon/tozei/index_a1.htm#a00 


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