2013年10月16日

貴金属積立への譲渡益課税は株や不動産と違う?!


 以前の記事で、シンガポールに移住した方の、株式等の譲渡益に関する課税関係について書いたことがありました(詳細は別記事「非居住者として日本の株式を売却した場合の課税関係」をご参照ください)。

 今回は、リ・タナカなどで積み立てた金やプラチナなどの貴金属を売却した場合の課税関係について書きたいと思います。

 一般的には、金やプラチナの積立も、ミニ株などの株式の積立も、同じような「投資商品の一種」という感覚で行われており、どちらが将来的に価値が上がりそうか、という判断で選択をされていらっしゃるケースが多いかと思われます。
 なので、売却益が出た場合は、居住者であれば株式と同じような分離課税、非居住者であればキャピタルゲイン非課税の原則により、課税されないのではないか、とつい思いがちです。

 結論から申し上げますと、リ・タナカなどで所有している金積立や金地金は、たとえ海外に移住したとしても、国内不動産と同じく「国内に存在する財産」として扱われます。なので、国内不動産同様、非居住者であっても売却益は日本国内で課税されてしまいます。
 さらに、不動産や株式と大きく違うところは、分離課税ではなく「総合課税」で課税されてしまうということです。

 分離課税であれば、たとえどんなに青天井で利益が出たとしても、居住者であれば所得税(国税)15%、地方税が5%の計20%、非居住者であれば、地方税がないので15%しか課税されません。
 ただし、総合課税となってくると、累進課税で所得税計算がなされてしまうので、売却益が巨額に出てしまうと最高税率に到達してしまう可能性があります。居住者であれば最高税率50%(住民税込)、住民税のかからない非居住者でも40%の税率が課せられます。つまり、お医者様や企業経営者のような高額所得者の場合、下手をすると給与所得のみで最高税率に到達しているケースもありますので、さらに金地金の売却益が加わると、全利益の半分ぐらいが税金で持っていかれることになるのです。

 なお、金地金にも長期譲渡所得と短期譲渡所得という考え方があり、5年以上保有している金やプラチナを売却すれば所得額の2分の1に対して税率を乗じることになります。この点については、不動産の場合と同様です。ちなみに株式の場合は、短期所有とか長期所有という考え方はないですね。

 以上をまとめますと、売却益の課税関係は以下のようになります。

 株式等 … 分離課税 & 長短所有の区別なし
 不動産 … 分離課税 & 長短所有の区別あり
 金地金 … 総合課税 & 長短所有の区別あり

 なので、金地金投資と株式投資を選択する場合、金の方が儲かったと思っていても、特に短期譲渡の場合だと、最後の納税の瞬間に、手残りキャッシュ・フローが逆転してしまう可能性があります。

 結局、貴金属投資は「安全資産への投資」と割り切って、長期的に行うことが肝要かと存じます。

【金地金の税額の計算方法】
(1)所有期間 5年未満の場合(短期譲渡)
・売却価額−(取得価額+売却費用)=譲渡益
・金地金譲渡益+金地金以外の譲渡益−譲渡所得特別控除50万円=譲渡所得
 → この金額に給与所得などの所得が合算され、総合課税されます。

(2)所有期間 5年超の場合(長期譲渡)
・上記の譲渡所得の2分の1が、給与所得等に合算される金額となります。

(注) 短期譲渡と長期譲渡の両方がある場合、短期譲渡の方から先に50万円の特別控除を充当します。


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posted by ふみふみ at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 資産形成コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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