2013年06月26日

相続対策における生命保険の活用


 現預金や上場株式などで資産を所有している状況で相続が発生した場合、例えば1億円のものは1億円という、100%の評価で相続財産が計算されてしまいます。 また、企業オーナーで法人に貸付金がある場合や、第三者に個人的に貸付けを行っている場合の「貸付金」も100%の金額で相続財産としての評価を受けてしまいます。
 したがいまして相続対策の王道としては、相続が発生する前に、可能な限り上記のような100%評価を受けてしまう資産を、評価を下げることができたり非課税枠のある他の資産に逃がしておくことが有効になります。
 資産を不動産に代えることにより評価額を下げるのはその代表的な例の一つですが(固定資産税評価額や路線価が使用されるため)、今回の記事ではもう一つのシンプルな対策例である生命保険の活用をテーマにしたいと思います。これは非課税枠を利用するやり方になります。

 生命保険が相続対策として一般的に活用される主な理由は、下記の通りです。

@ 非課税枠の存在
 とあるオーナー企業の社長が死亡して相続が発生したと仮定します。この場合、社長は「被相続人」と呼ばれ、妻子は「相続人」と呼ばれます。社長は、生前生命保険に加入して保険料を支払っていました。死亡により、生命保険は妻子が受け取ることになりますが、生命保険の受取金については、500万円×法定相続人数だけ、相続税が非課税となります。つまり、生命保険の掛け金と受取金がほぼニアリーイコールだと仮定した場合、ただ現預金で資産を持ち続けているよりも、生命保険に加入して「簿外資産」を作っておいて、それを相続発生時に相続人が受け取る仕組みにしておいたほうが、有利だということになります。

A 受取人が指定できるメリット
 保険契約の場合、その受取人を契約者である「被相続人」の意思で選択することが可能です。生前における資産の分割を事実上行う効果があるため、相続発生時のトラブル発生の防止に役立ちます。

B 納税資金の確保
 相続財産が、不動産や非上場会社の株式であった場合、なかなか換金できません。生命保険が入ってくるとそれを納税資金に充当できますし、余剰があれば生活資金にもなります。

 以上は、被相続人が個人的に生命保険に加入する場合ですが、オーナー社長の場合、会社で生命保険に加入し、

 社長が死亡 → 会社に保険金入金 → 死亡退職金として妻子に支給

という流れを作ることも可能です。
 相続人が死亡退職金を受け取る場合も、500万円×法定相続人数だけ、相続税が非課税となります。

 なお、保険加入のデメリットとしては、簿外資産を作る行為であるため、一時的に資金が社外流出することが挙げられます。
 会社の業績が好調な時に節税対策で保険に加入したものの、業況が傾いた時に保険を解約する羽目になり、結局単純に損してしまう、という結果に陥る可能性も否定はできません。保険に加入する際は、会社の業況が思わしくなくなった場合にも支払いを継続できるかどうか、という資金計画も考えたうえで加入されることをお勧めいたします。
 世の中には保険の掛け金と受取保険金がほぼ同額の保険商品が多くありますが、上記の節税メリットのほか、保険の本来の趣旨である「不慮の事故があった場合の備え」というメリットも考えると、保険そのもので利潤が生まれないとしても、加入したほうがよいという結論は導き出せます。

 
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posted by ふみふみ at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 相続対策と事業承継 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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