2012年11月24日

逆ハーフタックスプラン


 クライアント様のご依頼により、逆ハーフタックスプランについて最近検討しております。今回の記事はその点について。

 まず「ハーフタックス」と呼ばれている保険商品があります。こちらは、一般的な養老保険のプランで、従業員全員が加入することを前提として、死亡保険金の受取人は遺族、満期返戻金の受取金を法人とする場合です。この場合の会計処理ですが、死亡保険金として遺族に支給される確率と法人が満期返戻金を受け取る確率を50:50と考えて、支払保険料のうち、50%は損金算入、50%は資産計上となります。

 一方で「逆ハーフタックス」は、同じく養老保険を使用したスキームなのですが、死亡保険の受取人を法人とし、満期返戻金の受取人を被保険者個人とするプランです。満期返戻金を被保険者個人に支給ため、実質会社の資金を個人の資金に委譲できるのが売りの商品です。
 この場合の会計処理は、支払保険料のうち50%は会社が負担する保険料、他の50%は個人が負担すべき保険料を会社が肩代わりしている、つなわち加入者への給与とみなします。そういう意味では100%損金算入と言えなくもないですが、給与部分には所得税が発生しますので、所得の高い方が加入しますと、累進税率最高額で給与相当額の約50%の納税義務が発生してしまいます。

 また、満期返戻金の受取時は、一時所得と考えます。
満期返戻金−2分の1役員報酬部分の支払総額−特別控除(最高50万円)=一時所得
 一時所得の2分の1が、総合課税で給与所得等に合算

 結局、お客様のケースでシミュレーションした結果、形式上の節税はあるものの、支払った保険料よりは満期返戻金の額が大概は少ないので、キャッシュフローとしては、それほど影響がありませんでした。この商品のメリットは、最終的に儲かるかどうかではなく、やはり会社の資金を個人の資金に委譲できるという点にありますが、逆ハーフタックスプランの一時所得での申告方法が争われた平成24年1月の最高裁判決が逆ハーフタックスプランそのものを否定していないことから、税務上は合法になったとして販売に力を入れ始めた保険会社もあるようです。
 それでは、この保険商品は大いに推奨されるものでしょうか。やはりケースバイケースと言えるでしょう。例えば、会社の資金を個人の資金に委譲する行為は、経営者の取るべき行動としては決して褒められたものではないでしょうから、従業員に対する見せ方も考えなければいけません。従業員の心証を悪くしそうであれば、冒険はせずに通常の退職金積立プランの保険に加入して、将来的には退職金として普通にもらうことでもいいのではないかと個人的には考えております。

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