相続税対策は、将来相続が発生する場合を想定して、事前にいろいろ準備するものです。ただし、その当時の制度で対策スキームを設計し一安心と思っていると、相続税の制度が改正され、従来の対策が使えなくなるケースがありますので注意が必要です。
平成22年度に小規模宅地等の特定について改正がありました。これは相続が発生する際に大幅増税となる改正であり、そのことについてまだ詳しくご存じでない方がたまにいらっしゃるようなので、簡単にご説明させていただきたいと思います。
そもそも小規模宅地等の特例は、自宅としている土地や戸建や事業用アパートとして所有している不動産が相続対象となった際に、土地部分につき相続財産の評価額として減額を行い、生活基盤である自宅等が相続の発生によって失われるのを防ぐための制度です。
平成22年の改正前は、例えば複数いる相続人のうち一人でも被相続人と同居していれば、同居していない相続人も含め全員が相続した自宅土地の評価額は80%カット、すなわち20%の評価額のみで計算ができました。
例えば、1億円の自宅土地を相続した場合、2000万円とみなして相続財産を評価できるのです。
しかし平成22年の改正後は、同居していた相続人のみは依然80%カットの恩恵に授かるものの、同居していない相続人については計算時に80%カットの特例が適用されないことになりました。例えば、兄と弟2人いて、弟が母親と同居しており、そのお母様が亡くなられて相続が発生したとします。自宅の1億円の土地を兄と弟が5000万円分ずつ相続する場合、同居していた弟は5000万円×20%=1000万円の相続財産の評価額となりますが、同居していなかった兄は5000万円のままで評価します。
また改正前は、特定居住用宅地の80%の軽減適用に該当しない場合でも50%の軽減適用(上限200u)がありましたが、これも廃止されました。
相続対策についてご興味のある方は、今回の改正によりご自分の相続財産が果たしていくらになるのか、改めて計算された方がよろしいかもしれません。
なお、事業用小規模宅地については、次回の記事で説明させていただきます。
参考になるサイト
国税庁:http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm
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