さて、会社を設立し、登記が完了しました。この後、税務署や社会保険事務所など、関係各庁に対して会社の設立届を提出することになります。
設立したすべての会社に提出義務があるのが、所轄税務署、都道府県税事務所への「法人設立届出書」です。通常は、法人設立届出書と一緒に青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書も提出します。この時にもう一つ、一緒に提出しておくと良いのが、申告期限の延長の特例の申請書です。
この申請書を提出して所轄税務署長に承認されると、その名の通り、申告書の提出期限を延長することができるのです。
例えば3月末決算の会社は、2ヶ月以内つまり5月末までに申告書を提出しなければなりませんが、この延長の申請の承認を受けるとさらに1ヶ月延長で6月末までに申告書を提出すればいいことになります。決算の時は会計事務所に対して何かと記帳資料の提出を要求されますが、会社を起業したばかりの社長様は日常業務に追われてがちなので、なかなか決算資料の準備に手が回りません。申告期限が1カ月延びるだけでも大変余裕ができますのでお奨めです。
それでは、どうしたら申告期限の延長を承認してもらえるのでしょうか?
「定款」に、以下の文言を入れることによって承認してもらえるのです!
● 株式会社
「株主総会」の章に定時株主総会は、「事業年度末日の翌日から3か月以内に招集」というように、いつ株主総会が開催されるかを記載します。
司法書士の先生に普通に会社設立をお願いすれば、通常の株式会社の定款雛形として必ず記載されておりますので、特に気にする必要はありません。
● 合同会社
合同会社の定款には、株式会社の定時株主総会の場合のように決まった総会を開催することを必ず記載する必要がありません。司法書士の先生へ普通に合同会社の定款作成を依頼すると記載がない雛形を使用されるケースがほとんどだと思われます。合同会社の定款にも申告期限が延長できるように記載してもらうように依頼しましょう!「事業年度末日の翌日から3ヶ月以内に決算を確定する」この文言が1行あれば、合同会社でも「申告期限の延長の申請書」の承認を受けることができます!
注意!
申告期限の延長が承認されるのは、法人税、事業税、法人住民税です。
消費税は、延長の規定がないので通常通り、決算から2か月以内に申告と納付をしなければなりません。
なので、会計事務所から決算時に記帳資料を要求される場合、消費税を申告するために最低限必要な資料はやはり早めに用意するように心掛けましょう。
参考になるサイト
国税庁 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_12.htm
東京都主税局 http://www.tax.metro.tokyo.jp/shitsumon/tozei/index_a1.htm#a00
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