皆様の中には、今の会社に勤め続けるか、独立するか、悩んでいる方も大勢いらっしゃるものと思います。 「よし!独立起業して、まずは会社を作ろう!」と思い立ったはよいものの、
@ どうやって会社を作ればいいの?
A 最初は個人事業で始めたほうがよいの?
B 会社の形態が株式会社以外にもあるようだけど、そちらの方が設立費用が安いの?
など、いろいろ疑問が湧いてくることでしょう。
確かに「株式会社」という一般的な形態で会社を設立すれば、大手の企業との取引を開設するには何かと都合がよろしいかと存じます。ただし、お店の屋号が別に存在しており社名そのものがあまり重要でないビジネス(例えば、ラーメン屋さん、果物屋さん、居酒屋さんなど)の場合は、決して「株式会社」にこだわる必要はありません。平成18年の会社法改正により、「合同会社」という会社組織が新しく設立可能になり、徐々に浸透してまいりました。会社名そのものをブランド化する必要がないビジネスにおいては、株式会社よりも合同会社のほうが、設立登記費用が安くて済みます。それでは、選択する会社形態と、設立する際に必要な登記費用について、以下説明して参ります。
【会社形態】
会社法の第2条1号に会社法上の会社が規定されています。これは出資者の責任のあり方によって区別されています。世間一般ではここに規定されている会社を「会社」と呼んでいます。

このうち、合名会社と合資会社についてはほとんど見受けられませんので、ここでは、独立起業を目指す皆さんが選択するだろうと思われる「株式会社」と「合同会社」に限定して、会社を設立するのに必要な登記費用を見て行きます。

以上により、対外的に株式会社としての体裁を気にする必要のない場合は、合同会社の方が定款の認証費用が掛からなくて安上がりであると思われますが、一つ落とし穴があります。
合同会社の場合、出資者のことを「社員」といいますが、この社員の構成が変わるたびに登記が必要なのです。もし、株式会社であれば、増資や減資をした場合は資本金が増減した旨の登記が必要であるものの、株主構成が変わること自体に登記の必要はありません。したがって、例えば資産管理会社の株式の一部を子に暦年贈与(110万円)の範囲で贈与したとしても、贈与契約書の作成を行うのみでよく、登記まで行う必要はありません。ただし、合同会社の場合は子に持分の一部を贈与する場合であっても登記が必要です。それゆえ、持分の移動が何回か行われた場合は、結果的に合同会社の費用の方が高くつくという可能性もありますので、その点のみご留意ください。
なお、登記手続は、司法書士の先生や行政書士の先生にお願いすると上記の実費のほか、報酬手数料や交通費を別途お支払いすることになります。ご自分で登記を実行する場合は、法務局のホームページに登記に必要な定款をはじめ、そのほかの書類のひな型や記載例が掲載されいているので費用の節約にはなりますが、どうしても時間がとられてしまうことは否めません。なので、ノウハウを蓄積する必要のない業務は専門家に任せて、起業家の皆さんは営業などのフロント業務に集中するほうが得策であると私は思います。
参考になるサイト:
公証人連合会 http://www.koshonin.gr.jp/index2.html
法務局 http://www.koshonin.gr.jp/index2.html
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