2012年10月16日

滞留債権を損金算入する裏ワザ


 ビジネスをしていると、どうしても売掛金が滞るケースが発生してきます。

 売上先の業況が厳しいのはわかっており、その一方で決算を締めた結果利益が出ることが分かっていると、どうしても「貸倒損失」として処理してしまいたい衝動に駆られます。ただし、不良債権を貸倒損失、すなわち「税務上の損金」として認めてもらうためには、形式上以下の要件をクリアーしなければなりません。

@ 法的手続などにより金銭が切り捨てられた場合
A 金銭債権の全額が回収不能となった場合
B 一定期間取引停止後弁済がない場合

 この要件を読む限りでは、貸倒損失の計上は容易に感じられます。ただし、このうち争いなく認められるのは@ぐらいでして、AとBは、条文を鵜呑みにして損金処理してしまった場合、税務調査でひっくり返される可能性が非常に高いです。
 AとBを認めてもらうのであれば、内容証明を相手先に送り、「転居先不明」で戻ってきて初めて認められるくらいです。相手先の居所がまだ判明しており、郵便物がそのまま受け取られてしまう場合は、なかなか損金算入は難しいと言えるでしょう。

 さて、小さな売掛金程度であればよいのですが、巨額の貸付金が回収不能になった場合は、損金参入ができないことにより大きなジレンマに陥ります。債務者が法的手続に移行してくれたら、晴れて損金算入ができるのですが、なかなか債務者が法的整理に踏み切らない場合は、どうすればよいのでしょうか。例えば、こちらの意思で「債権放棄」したとしても税務上は「寄付金」とみなされてしまい、損金算入はなかなか容易ではありません。
 その状況を打開する方法として、「特定調停」という方法があります。特定調停とは、日本の民事調停手続の一種で、裁判所が、借主と貸主、保証人などとの話し合いを仲介し、返済条件の軽減等の合意が成立するよう働き掛け、借主が経済的に立ち直れるよう支援する手続です。裁判所の手続きであるため、それなりに時間はかかりますが、ある程度規模のある会社で不良債権処理に困っているのであれば、試してみる価値はあるかと思います。

参考になるインターネットサイト
 国税庁 貸倒損失の要件
     http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5320.htm
     特定調停
     http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/14/02.htm


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posted by ふみふみ at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 法人所得の節税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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