2012年10月16日

いい節税と悪い節税


 お客様の税務・会計事務を預かる以上、当然節税のアドバイスについても真剣に考えていかなければなりません。特に月次で記帳代行を受託させていただいているお客様については、6カ月〜9カ月目ぐらいまで作業を進めれば最終決算の着地点が大体わかってきますので、ある程度の黒字になりそうな場合は、あれこれと対策を考えていくことになります。巷でも節税ノウハウ本がいっぱい出版されており、税理士の先生もいろいろな手法をお客様にアドバイスされておりますが、私は世の中には「いい節税(賢い節税)」と「悪い節税(あまりお奨めできない節税)」があると思っております。 節税と称して行ったことだとしても、それが必ずしもいい効果ばかりではなく、

● 代表者や一部の役員のみが得をする
   ⇒ 一般従業員がやる気をなくす
   ⇒ 長期的には会社の業績悪化を招く
● 会社からお金が出ていく
   ⇒ 資金繰り悪化
   ⇒ 銀行などの評価が低くなる
●毎期の利益を低めに抑える
   ⇒ 将来会社をM&Aで譲渡するときに高値で売れなくなる

などの副作用も起こる可能性がありますので、税金対策を実行する際には将来起こりうる事象も想像したうえで慎重に判断しなければいけません。

 例えば、決算の着地見込みでまずまずの利益が出そうだとします。そこで、慌てて一括払いの保険に入ったり、飲食で交際費・会議費を増やしたり、車を買ったりする「決算対策」をしがちです。確かに、実際事業に必要な投資であれば、支出に踏み切った方が納税によって支出するよりはいいと思います。ただし、物を買ったりする行為は100%のキャッシュアウトを伴うので、必ずしも事業遂行上必要でない支出であれば、弊事務所では自重していただくようにお願いすることにしております。シンプルに納税してしまった方が、利益の40%は国にとられるものの、残りの60%は現金として手許に残ります。会社としては、キャッシュ・フローが潤沢なほうが経営が安定しますので、結果的に会社の発展を促す原動力になります。会社のお金を使う時の基本スタンスとしては、あくまでビジネス上必要かどうかという視点を第一に考えましょう。「納税したくない!」という思いありきで、会社のお金を無駄に使ってしまっては、そもそも本末転倒です。

 さて、ところで「いい節税」とは、何でしょうか? 

例1:
自営業の方が小規模事業共済に加入して自分の退職金を積み立てると同時に最大84万円の所得控除を享受する。 

例2:
個人所得が増えて累進課税がきつくなった場合に、会社法人を設立して法人の税率の恩恵を得る。

例3:
事業用不動産を売却した場合に、買換特例を利用して次の事業用不動産を取得することにより、売却益課税を繰り延べる。

 など、最終的な資金流出を伴わない節税対策やスキームをうまく組み合わせることにより、結果的に納付する税金が少なくて済む、という行為が「いい節税」だと私は考えます。

 私のブログでは、個人事業、法人、企業グループ、国際税制などを駆使した節税の例をいくつか挙げておりますが、その中には是非お奨めしたいものや、積極的にお奨めできないものの両方について、それぞれコメントを付しながら説明させていただいております。詳しくはそれぞれの記事をご参照いただければと存じます。


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