2014年07月29日

上場廃止が決まった株式は、歯を喰いしばって売却すること


 資産の一部を上場株式で運用している方は多くいらっしゃると思うのですが、長年株式投資を行っていると、放置していた塩漬け株がついに上場廃止になった、という場面に出くわさないとも限りません。本来、そうなる前に損切りしてしまうのが常套手段なのですが、本業が忙しい場合は放置プレイになるケースも少なくありません。

 そのような方は「上場廃止」の連絡が届いてしまったら、すでに株価が紙屑状態なのであきらめてしまい、売却も行わずに、放置してしまう方もいらっしゃるかと存じます。
 ただし、正解の処理は、所有している株式の上場廃止が決まったら、取引最終日前にすみやかに売却することであります。それを実行するかどうかで、以下の違いがあるからです。

● 取引最終日前に売却 
 → 株式の譲渡損失として3年間繰り越して、後々に発生した譲渡利益とぶつけることが可能です。

● 上場廃止後も所有
 → 特定管理口座等に振替えて所持し続けることにより、この株式の発行会社が破産などの法的手続を開始した際に、譲渡損失と同等の扱いをすることが可能になります。
 ただし、この損失を翌年度以降に繰り越すことはできません。

 したがって、前者の方が圧倒的に有利です。また、そもそも特定管理口座の届出をするのも一手間になりますので、売却をしてしまった方が手っ取り早いです。
 投資先が上場廃止になっていくら気持ちが萎えていたとしても、歯を食いしばって取引停止前に売却損を出しておくことが肝要になります。


参考にしたホームページ:
  国税庁:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1475.htm

                 
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2014年07月10日

合同会社の設立をする際は持分を相続可能にしましょう


 会社法の改正が行われて以来、株式会社よりも設立コストが安い合同会社を設立して、資産管理会社とするケースが多く見受けられます。ただし、せっかく節税対策で合同会社を設立したとしても、株式会社と違う落とし穴があるので注意が必要です。

 合同会社と株式会社との大きな違いは、会社法上のデフォルトの設定が、合同会社の持分が相続の対象財産となっていないことです(株式会社の持分である「株式」は、当然相続の対象財産となります)。

 会社法607条には、以下のように定められております。
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【法定退社】
 社員は、・・・・、次に掲げる事由によって退社する。
・・・・
三 死亡
・・・・
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 また、会社641条には、以下のように定められております。
-------------------------------------------------
【解散の事由】
 持分会社は、次に掲げる事由によって解散する。
・・・・
四 社員が欠けたこと。
・・・・
-------------------------------------------------

 ここで「持分会社」とは、合同会社、合名会社、合資会社の総称です。
 また、「社員」とは、これらの持分会社の出資者のことであり、株式会社でいう株主同様、持分の所有者であります。

 すなわち、一人会社で合同会社を設立し、その方が死亡してしまうと、その時点で合同会社は解散してしまう、ということになります。
 
 これでは相続対策として合同会社を設立し不動産を所有させた意味がなくなってしまうので、社員本人が死亡した際に相続人が持分の相続が可能な状態にしておく必要があります。

 会社法608条において、以下のような特則があります。
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【相続及び合併の場合の特則】
 持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。
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 具体的には、合同会社の設立登記で定款を作成する際に、以下の条文を追加しておきます。

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(法定退社及びその特則)
第●条 各社員は、会社法第607条の規定により、退社する。
2 前項の規定にかかわらず、社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における、当該社員の相続人その他の一般承継人が、当該社員の持分を承継することとする。
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 最近は、クラウドサービスなどで、ご自身で設立登記をされる方もいらっしゃるので、合同会社設立の際には、以上の点につき、ご注意いただければ幸いです。


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